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平成26年星野良三全ト協会長年頭所感

社団法人 全日本トラック協会 会長 中西栄一郎

公益社団法人 全日本トラック協会

会長  星野 良三


 

 全国の会員事業者の皆様をはじめ、関係各位には、平素から格別のご高配を 賜り、厚く御礼申し上げます。

 平成26年を迎え、謹んで、新年のご挨拶を申し上げます。

 

 さて、平成25年を振り返りますと、トラック運送業界は1年を通して「燃料高騰対策」に追われた年でありました。一昨年末からの株高・円安基調、中東情勢等の影響で燃料価格が高騰、高止まりしたことから、トラック運送事業者のコスト負担増を招き、経営を圧迫し続けました。
 このため、24年度補正予算に15億円のトラック買替補助金を計上していただきました。さらに昨年5月に、自由民主党本部で「燃料価格高騰経営危機突破全国総決起大会」を開催しました。これを受けて政府は、日本経済団体連合会、日本商工会議所に対して「燃料価格高騰下における適正取引推進に関する緊急協力要請」を行いました。これは、このまま軽油価格が高騰し、その高騰分を運賃に転嫁できなければ、トラック輸送サービスの安定的な提供が困難になるとの判断から、政府がトラック運送事業者と荷主における適正取引の推進と燃料サーチャージの導入に向けた後押しをしたものです。政府が、公共性の高いトラック輸送産業について、その重要性を高く認識している証とも言えます。
 9月には、「燃料高騰対策本部」を設置、都道府県トラック協会でも協会長を本部長とする同本部を設置して、燃料サーチャージ導入対策を柱とした燃料高騰対策に本腰を入れて取り組んできたところです。11月には「トラック業界の要望を実現する会」を開催し、自民党及び公明党のトラック議員連盟の国会議員265人が参加するなか、全国から集結したトラック運送事業者が、事業存廃の岐路に立たされた業界の悲痛な声を直接訴えるなど、これまでにない積極的な要望、陳情活動を展開してきました。
 こうした活動の結果、12月には政府の経済対策が発表され、燃料高騰に苦しむトラック運送事業に対する支援策として、50億円規模の補正予算案が計上されました。今年も引き続き、燃料高騰対策と燃料サーチャージの導入促進を、一層強力に推進していく所存であります。

 また、地球温暖化対策税の還付については認められませんでしたが、エネルギー対策特別会計から26年度に61億円の助成を受けることが認められました。


 もう一つの懸案事項である高速道路料金制度については、12月20日に国土交通省から「新たな高速道路料金に関する基本方針」が示されました。これは、平成20年から実施されてきた緊急経済対策の割引財源が今年度末で終了するために行われたものであり、高速道路の料金割引全体が見直される中、平成25年度の補正予算620億円により、物流対策として大口多頻度割引が最大50%まで拡充されました。
 一方、平成26年度税制改正では、自動車取得税について、今年4月に消費税が8%に引上げられる際、3%から2%に引下げられ、消費税が10%に引上げられる際には廃止されることになりました。自動車重量税は、エコカー減税が拡充されるとともに、求めていた道路財源への位置付けについては「原因者負担・受益者負担としての性格を踏まえる」と明記されました。自動車税につきましては、総務省が「営自格差の見直し」による営業用トラックへの新たな増税案を提言しましたが、阻止することができました。 

  なお、本年4月には、消費税が5%から8%へ引上げられますが、適正な転嫁対策として、昨年12月9日に公正取引委員会に対して「消費税の転嫁及び表示の決定に係る共同行為(転嫁カルテルおよび表示カルテル)」を行うための届出を行いました。今年は、同届けに基づきスムーズな転嫁が行われるよう、各種対策を推進してまいります。


 物流の基幹産業でありますトラック運送事業の社会的な使命を果たすため、これまでも、交通・労災事故防止対策、環境問題対策、少子高齢化に対応した労働力の確保、有事に備えた緊急輸送体制の確立など、社会と時代の要請とも言うべき諸課題に、果敢に取り組んで参りました。さらに、参入時基準の強化など規制緩和見直しのほか適正運賃収受へ向けた対応として、「原価意識向上のための実践セミナー」の開催など、原価・コスト管理の徹底による経営基盤強化対策にも取り組んで参りました。今年も引き続き、これらの諸問題に対して積極的に取り組んで参る所存です。
 まず、「安全」対策については、常に最重要課題として位置付け、各種施策を強力に推進しています。特にドライブレコーダについては、導入の手引きと活用マニュアルを作成し、更なる普及拡大に努めました。


 貨物自動車運送事業安全性評価事業「Gマーク制度」については、昨年12月19日末現在で、認定数は1万9,257事業所に達し「安全性に優れた事業所」として、一般消費者および荷主企業等から高い信頼を得ています。今後は、認定2万事業所を目指し、業界内に対しては申請事業所数の増加、また、対外的にはGマークの認知度アップのため、ラッピングトラックを全国で走らせるなど、内外に向けた認知度向上策を展開して、トラック運送業界全体の安全性の底上げを図ってまいります。

 

 また、昨年の10月からは、受委託点呼(共同点呼)が可能となったことを踏まえ、確実な点呼の励行を推進することにより、尚一層、安全運行確保に努めてまいる所存であります。

 

 さらには、近年の少子高齢化社会の進行や免許制度改正の影響もあり若年労働者の確保が困難になりつつあるなど、労働環境改善も喫緊の課題です。特に免許制度については、警察庁が「貨物自動車に係る運転免許制度の在り方に関する有識者検討会」を設置して検討を開始したことから、全ト協でも業界の緊急実態調査を行う一方、年末には同検討会でのヒアリングを受けたところであります。業界実態に即した新たな免許制度となることを大いに期待しております。

   

 本年7月末には、全日本トラック総合会館(全日本トラック防災・研修センター)が竣工し、8月から新会館での業務がスタートします。同会館は、地下1階、地上11階建てで各種研修室に加え、大規模災害を見据え、免震構造で非常用発電装置なども備えております。有事の際には全国の緊急物資輸送の中央司令塔としての機能を担うほか、平時には研修センターの役割を担います。全国のトラック運送事業者のナショナルセンターとして、活用されることを期待しております。また、同センターの機能を最大限に活かすためにも、自治体とトラック協会の災害時輸送協定の締結など、緊急救援輸送体制の確立と継続的な見直しなど、万が一の備えにも取組み、「トラックはくらしと経済を支えるライフライン」として、国民の期待に応えてまいります。


 さて、トラック輸送産業の市場規模は現在約12兆円規模となり、産業活動や国民生活に不可欠な存在となっております。これからも社会との共生を図りながら持続的発展を目指し自助努力する必要があります。今後も公益社団法人としての社会的使命を果たすべく、安定的な輸送力の確保と安全・安心で質の高い輸送サービスの提供に努め、積極的に事業を展開してまいる所存であります。 このため全日本トラック協会といたしましても約6万3,000事業者の叡智と総力を結集して諸課題の解決に全力で取り組んでまいりますので、これまで以上に、関係各位皆様の倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますよう、切にお願いいたします。

 本年も会員事業者の社業のご繁栄と皆様のご健勝並びにご多幸を心よりお祈りし、平成26年の年頭にあたり私の挨拶といたします。

 


平成26年 元旦

 



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