平成12年第1-平成12年第2四半期の速報
トラック運送業界の平成12年1〜3月期の景況感は、平成10年7〜9月期から6四半期連続していた改善が途切れ、わずかながら悪化に転じた。今期は、情報技術(IT)関連投資の高まりや消費の持ち直し、株価上昇などから、国内全体の景気としては改善傾向にあるとされる。しかし、製造業での円高、原油高による収益性の悪化や公共事業の先細り懸念等を背景に、トラック運送業界の景況感は改善傾向に翳りがみられる。
また平成12年4〜6月期の見通しについても、業界の景況感の判断指標は今期より1ポイント下回るなど、先行きにも警戒感がみられる。
1.今期(平成12年1月〜3月期)の状況
(1)概況
平成12年1〜3月期におけるトラック運送業界の景況感は、対前年同期比で「悪化」とした事業者は48%(前回46%)、「好転」とした事業者は7%(前回9%)で、判断指標は▲50(前回▲47)と、前回水準をやや下回った。貨物別にみると、宅配貨物、一般貨物の水準が低い。
(2)特別積合せ貨物
宅配貨物では、輸送数量は「減少」とする事業者が36%で前回の34%から2ポイント増え、「増加」とする事業者は13%で前回の19%から6ポイント減った。このことから、判断指標は▲26(前回▲17)と、前年をやや下回る水準に後退した。営業収入は「減少」「横ばい」「増加」とも構成比はほぼ同じで、判断指標も▲38と前回から不変、営業利益も同様の傾向から判断指標は▲44で、前回(▲42)から大きな変化はなかった。 宅配以外の特積貨物は、輸送数量は「増加」とする事業者は27%と前回よりも6ポイント減ったことから、判断指標は▲5(前回2)へと後退した。営業収入は「減少」「横ばい」「増加」とも構成比はほぼ同じで、判断指標は▲21と前回から大きな変化はなかった。営業利益では「大幅に減少」が2ポイント減り、「大幅に増加」が1ポイント増えたことから、判断指標は▲38で前回(▲41)からわずかに改善した。
(3)一般貨物
一般貨物では、輸送数量は「増加」とする事業者が7ポイント減ったことから、判断指標は▲25(前回▲20)と、前年をやや下回る水準になった。営業収入は「減少」「横ばい」「増加」とも構成比はほぼ同じで、判断指標は▲32と前回(▲31)から大きな変化はなかった。営業利益は「増加」とする事業者が3ポイント減ったことから判断指標は▲43と前回(▲38)から後退した。
(4)運賃水準
宅配貨物の判断指標は▲48で、前回(▲46)から大きな変化はなかった。宅配以外の特積貨物は▲55(前回▲59)でわずかに改善したものの、依然貨物別では下落幅が大きい。一般貨物は▲52(前回▲51)で、大きな変化はみられなかった。
(5)実働率等
実働率、実車率とも大きな変化はなく、ともにほぼ前年並みとなっている。
人手の過不足はほぼない。採用状況はやや悪化し前年水準をやや下回っている。所定外労働時間は、ほぼ前年水準となっている。
(6)地域別および取扱い品目別
地域別では、北海道、東北がとくに水準を下げ、四国、近畿と並んで悪化となっている。一方、中部、中国は前回に続き悪化幅は相対的に小さい。
事業者の規模別では、大規模事業者の判断指標のマイナス幅は相対的に小さい。
主な取扱い品目別では、消費関連貨物の景況感は引き続き相対的に良いものの、前回より水準を下げている。機械関連貨物は前回よりもわずかに上昇したが、改善幅は小さい。
2.今後(平成12年4月〜6月期)の見通し
(1)概況
4〜6月期の見通しは、業界の景況感の判断指標は▲51で、今期よりも1ポイント下回る見込み。見通しが今期より悪化するのは前回に続いて2期連続であり、景気の先行きにも警戒感がみられる。
(2)特別積合せ貨物
宅配貨物は、輸送数量は「減少」とする事業者が減ることから、判断指標は改善し、前年水準に持ち直す見込み。営業収入、営業利益も「減少」とする事業者が減ることから、減少幅は縮小する見込み。
宅配以外の特積貨物は、輸送数量は「増加」「減少」とも少なくなることから、今期とほぼ同様の前年水準の見込み。営業収入は「減少」とする事業者が減ることから、判断指標はやや改善し前年水準となる見込み。営業利益は改善するものの、引き続き前年水準を下回る見込み。
(3)一般貨物
一般貨物は、輸送数量、営業収入、営業利益とも「横ばい」とみる事業者の割合がやや増え、判断指標に大きな変化はなく、引き続き前年水準を下回る見込み。
(4)運賃水準
宅配貨物、宅配以外の特積貨物とも「下落」とする事業者が減ることから改善する見込み。一般貨物は大きな変化はなく、引き続きやや下落の見込み。
(5)実働率等
実働率、実車率ともやや低下し、前年をやや下回る水準となる見込み。
人手の過不足感はなく、採用状況は前年をやや下回る。所定外労働時間は前年水準の見込み。
(6)地域別および取扱い品目別
地域別では、東北、四国、近畿は引き続き景況感が厳しい見込み。
事業者の規模別では、大規模は今期よりやや改善する見込み。
主な取扱い品目別では、引き続き機械関連貨物、消費関連貨物は相対的に良い見込み。
3.特積貨物の概況
| 項 目/概 況 |
宅
配
貨
物
|
輸送数量
 |
・前期よりやや悪化し、やや減少となっている。地域別では関東、中国、東北で横ばいとなっている。規模別では大規模事業者で横ばいとなっており、規模が小さくなるほど減少幅は大きい。
・今後は今期よりやや改善し、横ばいとなる見込み。 |
営業収入(売上高)
 |
・前期と同様に、やや減少となっている。地域別では新潟、近畿で減少となっており、中国では横ばいとなっている。規模別では、規模が小さくなるほど減少幅が大きくなっている。
・今後は今期よりやや改善するものの、引き続きやや減少の見込み。 |
営業利益
 |
・前期と同様に、やや減少となっている。地域別では新潟、近畿で減少となっている。規模別では、小規模事業者で減少となっている。
・今後は今期より改善するものの、引き続きやや減少の見込み。 |
運賃・料金の水準
 |
・前期と同様に、やや下落となっている。地域別では近畿、新潟で下落となっている。規模別では、規模が小さくなるほど下落幅は大きい。
・今後は今期より改善するものの、引き続きやや下落の見込み。 |
| 項 目/概 況 |
宅
配
以
外
の
特
積
貨
物 |
輸送数量
 |
・前期よりやや悪化するものの、引き続き横ばいとなっている。地域別では関東でやや増加となっており、中部でも判断指数はプラスとなっている。
・今後は今期に引き続き、横ばいの見込み。 |
営業収入(売上高)
 |
・前期と同様に、やや減少となっている。地域別では近畿で減少となる一方、関東、中国、九州、中部で横ばいとなっている。規模別では大規模で横ばい、中規模でやや減少、小規模で減少と格差が大きい。
・今後は今期よりやや改善し、横ばいとなる見込み。 |
営業利益
 |
・前期と同様に、やや減少となっている。地域別では近畿、四国で減少となっている。規模別では規模が小さくなるほど減少幅が大きい。
・今後は今期よりやや改善するものの、引き続きやや減少の見込み。 |
運賃・料金の水準
 |
・前期と同様に、やや下落となっている。地域別では近畿で大幅に下落、新潟で下落となっている。規模別では大規模になるほど下落幅が大きい。
・今後は今期より改善するものの、引き続きやや下落の見込み。 |
| 凡例 |
 |
(注1)グラフ右のカッコ内は業況判断指標。指標は、各設問の回答に対し、増加・好転+1〜+2、横ばい0、
減少・悪化-1〜-2の点数を与え、1事業者当たりの平均を100倍することにより算出している。 (注2)各グラフの上段は前期の状況、中段は今期の状況、下段は今後の見通しを示す。 (注3)各グラフの構成比は四捨五入のため合計が100にならない場合がある。
【調査の概要】
◆平成5年3月より開始、以降3カ月ごとに実施。
今回は12年3月29日に配布。
◆回収率:63.8%
| |
特 積
|
一般その他
|
合 計
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| 調査対象 |
354 |
702 |
1,056 |
| 回収数 |
158 |
516 |
674 |
4.一般貨物の概況
| 項 目/概 況 |
輸送数量(全体)
 |
・前期よりやや悪化し、やや減少となっている。地域別では中国、中部、北海道、新潟で横ばいとなっている一方、東北で減少幅が大きい。規模別では、小規模になるほど減少幅が大きい。品目別では、消費関連貨物で横ばいとなっている。
・今後も今期と同様に、やや減少の見込み。 |
営業収入(売上高)
 |
・前期と同様に、やや減少となっている。地域別では中部で横ばいとなる一方、東北で減少幅が大きい。規模別では、小規模になるほど減少幅が大きい。
・今後も今期と同様に、やや減少の見込み。 |
営業利益
 |
・前期よりやや悪化するものの、引き続きやや減少となっている。地域別では中部で横ばいとなっている。規模別では小規模になるほど減少幅が大きい。
・今後も今期と同様に、やや減少の見込み。 |
運賃・料金の水準
 |
・前期と同様に、やや下落となっている。地域別では新潟、近畿、東北で下落となっている。規模別では中規模事業者で下落幅が大きい。品目別ではその他貨物で下落となっている。
・今後も今期と同様に、やや下落の見込み。 |
5.共通の概況
| 項 目/概 況 |
実働率
 |
・前期よりわずかに改善し、前年水準となっている。地域別では東北、四国、近畿、関東でやや低下の水準となっている。
・今後は今期よりやや悪化し、やや低下となる見込み。 |
実車率
 |
・前期と同様に、前年水準となっている。地域別では東北、近畿、四国でやや低下となっている。規模別では大規模事業者で業況判断指数はプラスとなっている。
・今後は今期よりやや悪化し、やや低下となる見込み。 |
雇用状況(人手の 過不足)
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・前期と同様に、全地域ともに過不足感はない。
・今後も今期と同様に、過不足感はない見込み。 |
採用状況
 |
・前期よりやや悪化し、やや減少となっている。地域別では近畿で相対的に減少幅が大きい。規模別、品目別による違いはほとんどない。
・今後も今期と同様に、やや減少の見込み。 |
所定外労働時間
 |
・前期と同様に、前年水準となっている。地域別では東北、近畿、四国でやや減少となっている。規模別では小規模になるほど減少幅が大きい。
・今後も今期と同様に、前年水準の見込み。 |
| 項 目/概 況 |
資金繰りの状況
 |
・前期と同様にやや悪化となっている。地域別では中部で前年水準となっている。規模別では大規模事業者で前年水準となっている。
・今後も今期と同様に、やや悪化の見込み。 |
運賃料金の回収条件(回収期間現金比率)
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・前期と同様に、前年水準となっている。地域別では東北、中国でやや悪化となっている。
・今後も今期と同様に、前年水準で推移する見込み。 |
経常損益
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・前期よりやや悪化するものの、引き続きやや悪化の水準となっている。地域別では新潟で悪化となる一方、中部では悪化幅は小さい。
・今後も今期と同様に、やや悪化の見込み。 |
業界の景況感
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・前期と同様に、やや悪化となっている。地域別では東北、四国、北海道、近畿で悪化となっている一方、中部、中国では悪化幅は相対的に小さい。規模別では大規模事業者で悪化幅は相対的に小さい。
・今後も今期と同様に、やや悪化の見込み。 |
6.事業者特性別の特徴
(注4)地域分類は地方運輸局管轄地域区分に基づく。 (注5)規模別分類
大規模事業者:101両以上 中規模事業者:21両以上100両以下 小規模事業者:20両以下 (注6)品目別分類
消費関連貨物:農水産品、食料工業品、日用品など
建設関連貨物:林産品、砂利、砂、石材、建設用資材、窯業品(セメント等)など
機械関連貨物:電気機械(家電含む)、輸送機械(自動車等)など
その他貨物:石炭、原油、金属、石油、化学、紙・パルプなど
| 7.景況感一覧表 |
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8.業況判断指標の前回調査 (平成11年10月〜12月期)からの変化 |
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