第62回トラック運送業界の景況感 (速報)

平成20年7月31日


平成20年4〜6月期

 平成20年4〜6月期の国内景気は、急激な原油高、原材料高、物価上昇に伴う消費意欲の減退などを背景に、先行きへの厳しさを増している。
 トラック運送業界は、4月に暫定税率の期限切れによる一時的な軽油の値下がりがあったものの、税率が復活した5月以降の更なる値上がりにより大幅なコスト増が生じている。運賃への転嫁はいまだ限定的であり、また輸送量も減少していること等から、業界の景況感は▲97と前回(▲71)から26ポイントも悪化した。指標の悪化は3四半期連続。
 平成20年7〜9月期の見通しは、判断指標は▲105となり、さらに8ポイント悪化する見込み。


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  1. 今回(平成20年4月〜6月期)の状況 
2. 今後(平成20年7月〜9月期)の見通し 
3. 特積貨物の概況 
4. 一般貨物の概況 
5. 共通の概況 
  6. 事業者特性別の特徴 
7. 景況感一覧表 
8. 業況判断指標 
9. 業況判断指標の推移NEW

1.今回(平成20年4月〜6月期)の状況

(1) 概況
 平成20年4〜6月期におけるトラック運送業界の景況感は、「悪化」とした事業者は75%(前回61%)、「好転」とした事業者は3%(前回3%)で、判断指標は▲97(前回▲71)に大きく悪化した。
 貨物別では、一般貨物は営業利益を中心に大きく悪化している。宅配以外の特積み貨物は輸送数量、営業収入で水準を下げた。

(2) 特別積合せ貨物
 宅配貨物では、輸送数量は「減少」とする事業者が50%、「増加」とする事業者が13%で、判断指標は▲45となり、前回(▲33)から水準を下げた。営業収入は「減少」とする事業者が46%、「増加」とする事業者が11%で、判断指標は▲41となり、前回(▲34)からやや水準を下げた。営業利益は「減少」とする事業者が56%、「増加」とする事業者が9%で、判断指標は▲55となり、前回(▲46)からやや水準を下げた。
 宅配以外の特積貨物では、輸送数量は「減少」とする事業者が54%、「増加」とする事業者が9%で、判断指標は▲50となり、前回(▲24)から26ポイントも悪化した。営業収入は「減少」とする事業者が53%、「増加」とする事業者が10%で、判断指標は▲45となり、前回(▲22)から23ポイント悪化した。営業利益は「減少」とする事業者が62%、「増加」とする事業者が8%で、判断指標は▲61(前回▲46)となり、とくに水準が低い。

(3) 一般貨物
 一般貨物では、輸送数量は「減少」とする事業者が48%、「増加」とする事業者が10%で、判断指標は▲46となり、前回(▲32)から水準を下げた。営業収入は「減少」とする事業者が50%、「増加」とする事業者が10%で、判断指標は▲50となり、前回(▲33)から水準を下げた。営業利益は「減少」とする事業者が67%、「増加」とする事業者が7%で、判断指標は▲80(前回▲57)となり、減少が顕著である。

(4) 運賃水準
 運賃水準は、宅配貨物の判断指標は▲14(前回▲13)、宅配以外の特積貨物は3(前回▲2)、一般貨物は▲19(前回▲16)で、各貨物とも下げ止まっている。とくに宅配以外の特積み貨物では、運賃水準の判断指標が初めてプラスを示した。

(5) 実働率等
 実働率は▲32(前回▲21)、実車率は▲29(前回▲17)で、ともども水準を下げている。
 雇用状況は8(前回20)で、人手不足感は緩和している。採用状況は▲7(前回▲6)で前年水準が続いている。所定外労働時間は▲22(前回▲13)で、やや減少となっている。

(6) 地域別および取扱い品目別
 業界の景況感を地域別にみると、北海道、東北、中国、中部、四国は大幅悪化となっている。
 事業者の規模別にみると、中規模事業者で大幅悪化となっている。
 主な取扱い品目別では、建設関連貨物は大幅悪化となっている。これまで相対的に水準の高かった機械関連貨物でも43ポイント低下して悪化水準となるなど、全ての品目で悪化が強まっている。

 

2.今後(平成20年7月〜9月期)の見通し

(1) 概況
 平成20年7〜9月期の見通しは、業界の景況感の判断指標は▲105で、さらに8ポイント悪化する見込み。

(2) 特別積合せ貨物
 宅配貨物は、輸送数量は改善、営業収入はやや改善の見込み。
 宅配以外の特積貨物は、 輸送数量は改善、営業収入、営業利益はやや改善の見込み。

(3) 一般貨物
 一般貨物は、輸送数量は今回とほぼ同水準だが、営業収入、営業利益は、さらにやや水準を下げる見込み。

(4) 運賃水準
 宅配貨物はほぼ横ばいの見込み。宅配以外の特積貨物は、わずかだがさらに水準を上げ、引き続きプラスの見込み。一般貨物はわずかに水準を下げ、やや下落となる見込み。

(5) 実働率等
 実働率、実車率ともやや低下が続く見込み。
 雇用状況は、人手の過不足感はない見込み。採用状況は前年水準、所定外労働時間はやや減少が続く見込み。

(6) 地域別および取扱い品目別
 業界の景況感を地域別にみると、関東、北陸信越、近畿は、悪化ながらも水準は相対的に上位にある。その他の地域は大幅悪化の見込み。
 事業者の規模別では、中規模、小規模事業者では大幅悪化、大規模事業者は悪化の見込み。
 主な取扱い品目別では、建設関連貨物、その他貨物、消費関連貨物では大幅悪化、機械関連貨物は悪化の見込み。

 

3.特積貨物の概況

項  目 概  況



輸送数量
・前回より悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、北海道、近畿、東北が減少となっている。一方、中国は横ばいに留まる。
・今後は今回より改善するものの、やや減少が続く見込み。
営業収入
(売上高)
・前回よりやや悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、北海道が減少となっている。一方、中国は横ばいに留まる。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや減少が続く見込み。
営業利益
・前回よりやや悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、北海道では大幅減少、近畿は減少となっている。
・今後も今回と同様に、やや減少が続く見込み。
運賃・料金の水準
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別では、近畿、北海道、北陸信越、関東がやや下落となっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。

【調査の概要】
◆平成5年3月より開始、以降3カ月ごとに実施。今回は平成20年6月27日に配布。
 平成20年7月22日到着分までを集計。
◆回収率:68.1%
  特 積 一 般 合 計
調査対象 262 638 900
回収数 126 487 613

 

項  目 概  況









輸送数量
・前回より悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、北海道、東北、北陸信越が減少となった。
・今後は今回より改善するものの、やや減少が続く見込み。
営業収入
(売上高)
・前回より悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、北海道、北陸信越が減少となった。一方、近畿は横ばいに留まる。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや減少が続く見込み。
営業利益
・前回より悪化し、減少となった。地域別では、北海道、北陸信越はとくに水準が低い。
・今後は今回よりやや改善し、やや減少となる見込み。
運賃・料金の水準
・前回よりやや改善したものの、横ばいが続く。地域別では、北海道はやや上昇となっている。一方、中国ではやや下落となっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。
凡例
(注1) 各グラフの上段は前回の状況、中段は今回の状況、下段は今後の見通しを示す。
(注2) 各グラフの構成比は四捨五入のため合計が100にならない場合がある。
(注3) グラフ右のカッコ内は業況判断指標。指標は、各設問の回答に対し、増加・好転+1〜+2、横ばい0、減少・悪化-1〜-2の点数を与え、1事業者当たりの平均を100倍することにより算出している。
A (設問Aの回答者数) =a+a+a+a+a (設問Aの選択肢1〜5の回答数の和)
指標={(+2×a)+(+1×a)+(0×a)+(-1×a)+(-2×a)}÷A×100

 

4.一般貨物の概況

項  目 概  況
輸送数量
(全 体)
・前回より悪化したものの、やや減少が続く。地域別では東北、北海道、品目別では建設関連貨物が、それぞれ減少となった。
・今後も今回と同様に、やや減少が続く見込み。
営業収入
(売上高)
・前回より悪化したものの、やや減少が続く。地域別では東北、北海道、品目別では建設関連貨物が、それぞれ減少となっている。
・今後は今回よりやや水準を下げるものの、やや減少が続く見込み。
営業利益
・前回より悪化し、減少となった。地域別では東北、品目別では建設関連貨物が、それぞれ大幅減少となっている。
・今後は今回よりやや水準を下げ、減少が続く見込み。
運賃・料金の水準
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別では東北、規模別では小規模事業者、品目別では建設関連貨物、その他貨物が、それぞれやや下落となっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。

 

5.共通の概況

項  目 概  況
実 働 率
・前回より悪化したものの、やや低下が続いている。地域別では北海道、品目別では建設関連貨物の水準が低い。規模別では、大規模事業者で横ばいとなっている。
・今後も今回と同様に、やや低下が続く見込み。
実 車 率
・前回より悪化し、やや低下となった。規模別では大規模事業者は横ばいとなっている。品目別では建設関連貨物の水準が低い。
・今後も今回と同様に、やや低下が続く見込み。
雇用状況
(人手の過不足)
・前回より水準を下げ、過不足のない状態となった。規模別では大規模事業者でやや不足感がみられる。
・今後も今回と同様に、過不足のない状態が続く見込み。
採用状況
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別、規模別では全てにおいて横ばいとなっている。品目別では建設関連貨物はやや減少となっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。
所定外労働時間
・前回よりやや水準を下げ、やや減少となった。品目別では建設関連貨物での減少がやや大きい。
・今後も今回と同様に、やや減少が続く見込み。
項  目 概  況
資金繰りの状況
・前回より悪化したものの、やや悪化が続く。地域別では北海道、東北、品目別では建設関連貨物が、それぞれ悪化となっている。
・今後は今回よりやや水準を下げるものの、やや悪化が続く見込み。
運賃料金の回収条件
(回収期間、現金比率)  
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別、規模別、品目別の全てにおいて、横ばいとなっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。
保有車両台数の
状況
・保有車両台数は横ばい。地域別では四国、近畿、東北がやや減少となっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。 (今回からの新設問)
貨物の再委託の
割合
・貨物の再委託の割合は横ばい。地域別では北海道、東北、四国、九州、関東、中国、規模別では小規模、中規模事業者、品目別では建設関連貨物、その他貨物がやや低下となっている。
・今後はわずかに水準を下げ、やや低下となる見込み。(今回からの新設問)
経常損益
・前回より水準を下げ、悪化となった。地域別では九州、四国、規模別では大規模事業者、品目別では機械関連貨物は、それぞれやや悪化に留まる。
・今後も今回と同様に、悪化が続く見込み。
業界の景況感
・前回より26ポイントも悪化した。地域別では北海道、東北、中国、中部、四国、規模別では中規模事業者、品目別では建設関連貨物が、それぞれ大幅悪化となっている。
・今後は今回よりさらに水準を下げ、大幅悪化となる見込み。

 

6.事業者特性別の特徴

事業者特性 特       徴
1. 地域 (注4) ・北海道は、全国順位9位のまま、景況感は大きく悪化。
・東北は、全国順位8位のまま、景況感は大きく悪化。
・北陸信越は、近畿と並んで全国順位は最もよいが、景況感は悪化。
・関東は、全国順位5位から3位に上がったが、景況感は悪化。
・中部は、全国順位6位のまま、景況感は悪化。
・近畿は、北陸信越と並んで全国順位は最もよいが、景況感は悪化。
・中国は、全国順位2位から7位に下がり、景況感は大きく悪化。
・四国は、全国順位4位から5位に下がり、景況感は大きく悪化。
・九州は、全国順位7位から4位に上がったが、景況感は悪化。
2. 規模 (注5) ・業界の景況感は、中規模事業者では大幅悪化。
3. 品目 (注6) ・消費関連貨物は水準を下げ、引き続き悪化であった。一般貨物の輸送数量では、食料工業品を中心に水準を下げた。今後、さらにやや水準を下げ、大幅悪化となる見込み。
・建設関連貨物は、品目別の水準が最も低く大幅悪化であった。一般貨物の輸送数量では、林産品、金属製品を中心に水準を下げた。今後の景況感も大幅悪化が続く見込み。
・機械関連貨物は、品目別では相対的によいが、前回から大きく水準を下げた。一般貨物の輸送数量では、その他機械、電気機械を中心に水準を下げている。今後の景況感も引き続き悪化の見込み。
・その他貨物は水準を下げ、引き続き悪化であった。一般貨物の輸送数量では、石油製品のみ水準を上げたが、それ以外は全て水準を下げている。今後、さらにやや水準を下げ、大幅悪化となる見込み
(注4) 地域分類は地方運輸局管轄地域区分に基づく。
(注5) 規模別分類
大規模事業者:101両以上 中規模事業者:21両以上100両以下 小規模事業者:20両以下
(注6) 品目別分類
消費関連貨物:農水産品、食料工業品、日用品など
建設関連貨物:林産品、砂利、砂、石材、建設用資材、窯業品(セメント等)など
機械関連貨物:電気機械(家電含む)、輸送機械(自動車等)など
その他貨物:石炭、原油、金属、石油、化学、紙・パルプなど

 

7.景況感一覧表


 

8.業況判断指標の前回調査(平成20年1月〜3月期)からの変化

 



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