平成18年7〜9月期
平成18年7〜9月期は、荷主業界では、鉄鋼、非鉄金属、一般機械などの製造業が堅調であった。経済全体としてみると、今回の景気拡大期間(2002年2月から開始)は「いざなぎ景気」に並ぶ戦後最長と見込まれている。一方、トラック運送業界の景況感は、この間小幅な改善に留まっており、今期の判断指標も▲44(前回▲47)と僅かな改善であった。指標の改善は3四半期ぶり。貨物量の減少には歯止めがかかっているものの、燃料価格高騰に伴うコスト転嫁のスピードは遅く、営業利益が低迷している。
平成18年10〜12月期の見通しは、判断指標は▲38であり、やや改善する見込み。
1.今回(平成18年7月〜9月期)の状況
(1) 概況
平成18年7〜9月期におけるトラック運送業界の景況感は、「悪化」とした事業者は44%(前回46%)、「好転」とした事業者は7%(同7%)であった。判断指標は▲44(前回▲47)と3四半期ぶりに僅かに改善した。
貨物別では、宅配貨物は営業利益を中心に全般的に水準が低い。一般貨物は営業収入は改善傾向がみられたものの、営業利益は水準を下げた。運賃水準は各貨物とも下げ止まりの傾向が窺える。
(2) 特別積合せ貨物
宅配貨物では、輸送数量は「減少」とする事業者は37%、「増加」とする事業者は14%で、判断指標は▲26(前回▲22)であった。営業収入は「減少」とする事業者が44%、「増加」とする事業者は13%で、判断指標は▲35となり前回(▲23)から12ポイント悪化した。営業利益も「減少」とする事業者が50%、「増加」とする事業者が8%で、判断指標は▲53となり、前回(▲40)から13ポイント悪化した。
宅配以外の特積貨物では、輸送数量は「減少」とする事業者は30%、「増加」とする事業者は21%となり、判断指標は▲8(前回▲12)であった。営業収入は「減少」とする事業者が32%、「増加」とする事業者は20%となり、判断指標は▲12で前回(▲18)から6ポイント改善した。営業利益は「減少」とする事業者が42%、「増加」とする事業者が11%となり、判断指標は▲40(前回▲37)であった。
(3) 一般貨物
一般貨物では、輸送数量は「減少」とする事業者が29%、「増加」とする事業者が15%で、判断指標は▲17(前回▲18)であった。営業収入は「減少」とする事業者が32%、「増加」とする事業者が17%で、判断指標は▲19となり、前回(▲27)から8ポイント改善し、減少に歯止めがかかりつつある。営業利益は「減少」とする事業者が52%、「増加」とする事業者は9%で、判断指標は▲53となり、前回(▲45)から8ポイント悪化している。
(4) 運賃水準
運賃水準は、宅配貨物は▲18(前回▲20)、宅配以外の特積貨物は▲13(前回▲9)、一般貨物は▲18(前回▲16)で、各貨物ともほぼ下げ止まっている。
(5) 実働率等
実働率は▲11(前回▲15)、実車率は▲9(前回▲12)で、前年比横ばいの水準が続いている。
雇用状況は23(前回14)で、やや人手の不足感が現れはじめた。採用状況、所定外労働時間は引き続き前年水準となっている。
(6) 地域別および取扱い品目別
業界の景況感を地域別にみると、北海道、九州の水準が低く、近畿、中国は相対的によい。
事業者の規模別にみると、中規模事業者の水準が相対的に低い。
主な取扱い品目別では、機械関連貨物は相対的に最もよく、建設関連貨物は水準が低い。
2.今後(平成18年10月〜12月期)の見通し
(1) 概況
平成18年10〜12月期の見通しは、業界の景況感の判断指標は▲38で、小幅な改善が続く見込み。
(2) 特別積合せ貨物
宅配貨物は、営業収入、営業利益が改善して減少幅を縮める見込み。
宅配以外の特積貨物は、営業利益が改善して減少幅を縮める見込み。
(3) 一般貨物
一般貨物は、営業利益がやや改善して減少幅を縮める見込み。
(4) 運賃水準
宅配貨物、宅配以外の特積貨物は、やや改善する見込み。一般貨物は引き続き横ばいの見込み。
(5) 実働率等
実働率、実車率は引き続き前年水準の見込み。
雇用状況は、今回と同様にやや人手の不足感がある見込み。採用状況、所定外労働時間は引き続き前年水準の見込み。
(6) 地域別および取扱い品目別
業界の景況感を地域別にみると、四国が水準を下げる見込み。
事業者の規模別では、各規模ともやや水準を上げるが、引き続き中規模事業者の水準が相対的に低い見込み。
主な取扱い品目別では、機械関連貨物が水準を上げ、引き続き相対的に最もよい見込み。
3.特積貨物の概況
| 項 目 |
概 況 |
宅
配
貨
物 |
輸送数量 |
|
・前回と同様に、やや減少が続く。地域別では、四国は大幅減少であった。一方、北海道、近畿、中国では横ばいとなっている。
・今後も今回と同様に、やや減少が続く見込み。 |
営業収入
(売上高) |
|
・前回より悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、四国は大幅減少であった。一方、中国、北海道では横ばいとなっている。
・今後は今回より改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
| 営業利益 |
|
・前回より悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、四国、東北は大幅減少、中部も減少となった。
・今後は今回より改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
| 運賃・料金の水準 |
|
・前回よりわずかに上昇して、横ばいに転じた。地域別では、近畿、四国、中部、北陸信越、東北ではやや下落となっている。
・今後は今回よりやや上昇するものの、横ばいが続く見込み。 |
【調査の概要】
◆平成5年3月より開始、以降3カ月ごとに実施。
今回は平成18年9月22日に配布。平成18年10月19日到着分までを集計。
◆回収率:65.7% |
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| |
特 積 |
一 般 |
合 計 |
| 調査対象 |
262 |
638 |
900 |
| 回収数 |
127 |
464 |
591 |
|
| 項 目 |
概 況 |
宅
配
以
外
の
特
積
貨
物 |
輸送数量 |
 |
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別では、東北は減少、九州、近畿ではやや減少となった。一方、中国は増加、中部はやや増加となっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。 |
営業収入
(売上高) |
|
・前回よりやや改善したものの、横ばいが続く。地域別では、東北は減少となった。一方、中国はやや増加となっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。 |
| 営業利益 |
|
・前回と同様に、やや減少が続く。地域別では、東北は大幅減少、中国も減少となっている。一方、関東は横ばいとなった。
・今後は今回より改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
| 運賃・料金の水準 |
|
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別では、東北、北海道、北陸信越ではやや下落となった。一方、中国はやや上昇となっている。
・今後は今回より上昇するものの、横ばいが続く見込み。 |
| 凡例 |
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| (注1) |
各グラフの上段は前回の状況、中段は今回の状況、下段は今後の見通しを示す。 |
| (注2) |
各グラフの構成比は四捨五入のため合計が100にならない場合がある。 |
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| (注3) |
グラフ右のカッコ内は業況判断指標。指標は、各設問の回答に対し、増加・好転+1〜+2、横ばい0、減少・悪化-1〜-2の点数を与え、1事業者当たりの平均を100倍することにより算出している。
A (設問Aの回答者数) =a1+a2+a3+a4+a5 (設問Aの選択肢1〜5の回答数の和)
指標={(+2×a1)+(+1×a2)+(0×a3)+(-1×a4)+(-2×a5)}÷A×100 |
4.一般貨物の概況
| 項 目 |
概 況 |
輸送数量
(全 体) |
|
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別では東北、九州、北海道、四国で、規模別では小規模事業者、中規模事業者で、品目別では建設関連貨物、その他貨物で、それぞれやや減少となっている。
・今後は今回よりやや改善するものの、横ばいが続く見込み。 |
営業収入
(売上高) |
|
・前回よりやや改善して、横ばいに転じた。地域別では北海道、九州、東北、中国、関東で、規模別では小規模事業者、中規模事業者で、品目別では建設関連貨物で、それぞれやや減少となっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。 |
| 営業利益 |
|
・前回よりやや悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、九州、東北、北海道、中国で、規模別では中規模事業者で、品目別では建設関連貨物で、それぞれ減少となっている。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
| 運賃・料金の水準 |
|
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別では北陸信越、東北、北海道、九州、四国、中国で、規模別では小規模事業者で、品目別ではその他貨物で、それぞれやや下落となっている。
・今後は今回よりわずかに水準を下げ、やや下落に転じる見込み。 |
5.共通の概況
| 項 目 |
概 況 |
| 実 働 率 |
|
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別では九州、北海道、東北で、規模別では小規模事業者で、品目別では建設関連貨物で、それぞれやや低下となっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。 |
| 実 車 率 |
|
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別では九州で、品目別では建設関連貨物で、それぞれやや低下となった。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。 |
雇用状況
(人手の過不足) |
|
・前回よりやや上昇して、やや人手不足の感がある。地域別では九州、北海道、東北、四国、規模別では小規模事業者、中規模事業者、品目別では建設関連貨物、その他貨物では、それぞれ過不足感がなかった。
・今後も今回と同様に、やや人手不足の状態が続く見込み。 |
| 採用状況 |
|
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別、規模別、品目別のすべてにおいて、横ばいとなっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。 |
| 所定外労働時間 |
|
・前回よりやや改善したものの、横ばいが続く。地域別では、九州はやや減少となっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。 |
| 項 目 |
概 況 |
| 資金繰りの状況 |
|
・前回よりやや水準を下げたものの、やや悪化が続く。地域別では中部、規模別では大規模事業者、品目別では機械関連貨物では、それぞれ横ばいとなっている。
・今後も今回と同様に、やや悪化が続く見込み。 |
運賃料金の回収条件
(回収期間、現金比率) |
|
・前回と同様に、横ばいが続く。地域別、規模別、品目別のすべてにおいて、横ばいとなっている。
・今後も今回と同様に、横ばいが続く見込み。 |
| 経常損益 |
|
・前回と同様に、やや悪化が続く。地域別では、四国は悪化となっている。
・今後も今回と同様に、やや悪化が続く見込み。 |
| 業界の景況感 |
|
・前回と同様に、やや悪化の水準が続く。地域別では、北海道、九州でそれぞれ悪化となっている。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや悪化が続く見込み。 |
6.事業者特性別の特徴
| 事業者特性 |
特 徴 |
| 1. 地域 (注4) |
・北海道は、全国順位8位から9位に下がったが、景況感は前回と同水準。
・東北は、全国順位7位のままだが、景況感はわずかに改善。
・北陸信越は、全国順位2位から3位に下がったが、景況感は前回と同水準。
・関東は、全国順位4位のままで、景況感は前回と同水準。
・中部は、全国順位3位から5位に下がったが、景況感は前回と同水準。
・近畿は、全国順位1位のままで、景況感は前回と同水準。
・中国は、全国順位5位から2位に上がり、景況感は改善。
・四国は、全国順位9位から6位に上がり、景況感は改善。
・九州は、全国順位6位から8位に下がり、景況感はやや悪化。 |
 |
| 2. 規模 (注5) |
・業界の景況感は、中規模事業者の水準が相対的に低い。 |
| 3. 品目 (注6) |
・消費関連貨物は、前回と同様に、やや悪化が続いている。一般貨物の輸送数量では、各品目とも大きな変化は見られない。今後の景況感も今回と同様に、やや悪化が続く見込み。
・建設関連貨物は、前回より改善したが、品目別では最も悪い。一般貨物の輸送数量では、鉱産品の水準が低い。今後の景況感は、やや持ち直すが、やや悪化が続く見込み。
・機械関連貨物は、品目別では最も水準が高い。一般貨物の輸送数量では、電気機械、その他機械でやや改善がみられる。今後の景況感は、今回より水準を上げて、悪化に歯止めがかかる見込み。
・その他貨物は、前回よりやや改善したが、やや悪化が続いている。一般貨物の輸送数量では、石油製品、化学薬品の水準が低い。今後の景況感は、やや持ち直すが、やや悪化が続く見込み。 |
| (注4) |
地域分類は地方運輸局管轄地域区分に基づく。 |
| (注5) |
規模別分類 |
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大規模事業者:101両以上 中規模事業者:21両以上100両以下 小規模事業者:20両以下 |
| (注6) |
品目別分類 |
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消費関連貨物:農水産品、食料工業品、日用品など
建設関連貨物:林産品、砂利、砂、石材、建設用資材、窯業品(セメント等)など
機械関連貨物:電気機械(家電含む)、輸送機械(自動車等)など
その他貨物:石炭、原油、金属、石油、化学、紙・パルプなど |
7.景況感一覧表
8.業況判断指標の前回調査(平成18年4月〜6月期)からの変化

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