平成15年4〜6月期
平成15年4〜6月期のトラック運送業界の景況感は、4期連続で同水準となり、景気停滞感が続いている。業界の景況感の判断指標は▲75で、前回から3ポイントの低下であった。
今期は、イラク戦争の早期終結で米国経済の回復期待がみられたほか、株価が年初来高値を更新するなどの好材料もあったが、実需の回復には全体として結びついていない。これらのことを背景に、トラック運送業界の景況感も停滞したとみられる。
平成15年7〜9月期の見通しについても、雇用不安や所得減少による内需低迷等の改善が期待されないことから、判断指標は今期と同水準となることが見込まれている。
1.今回(平成15年4月〜6月期)の状況
(1)概況
平成15年4〜6月期におけるトラック運送業界の景況感は、「悪化」とした事業者は64%(前回61%)、「好転」とした事業者は3%(前回2%)であった。判断指標は▲75で、前回(▲72)より3ポイント低下した。
貨物別では、引き続き一般貨物の判断指標が最も悪い。また、宅配以外の特積貨物も前回から悪化し、一般貨物に次いで水準が低くなっている。一方、宅配貨物は営業利益を中心に前回よりも改善している。
(2)特別積合せ貨物
宅配貨物では、輸送数量は「減少」とする事業者は45%で、前回から4ポイント減ったことなどから、判断指標も▲37となり、前回(▲45)からやや改善した。営業収入は「減少」とする事業者が45%で前回から3ポイント減り、「増加」とする事業者も前回から4ポイント増えて13%となったことから、判断指標は▲38で、前回(▲47)からやや改善した。営業利益は「減少」とする事業者が49%で前回から3ポイント減り、増加とした事業者は7ポイント増えて12%となったことから、判断指標は▲43と前回(▲58)から改善した。
宅配以外の特積貨物は、輸送数量は「減少」とする事業者は50%で、前回から2ポイント増え、「増加」とする事業者は6ポイント減って12%となったことから、判断指標は▲43と前回(▲34)からやや悪化した。営業収入は「減少」とする事業者が54%で前回から6ポイント増えたことなどから、判断指標は▲49で、前回(▲38)から悪化した。営業利益は「減少」とする事業者は54%で前回から9ポイント増え、「増加」とする事業者も4ポイント減って5%となったことから、判断指標は▲54と前回(▲43)からやや悪化した。
(3)一般貨物
一般貨物では、輸送数量は「減少」とする事業者が50%で前回から4ポイント増えたことなどから、判断指標は▲46で、前回(▲39)よりもやや悪化している。営業収入も「減少」とする事業者が56%で前回から6ポイント増え、とくに内訳としては「大幅に減少」が4ポイント増えたことから、判断指標は▲55となり前回(▲44)から悪化している。営業利益も「減少」とする事業者が57%で前回から5ポイント増え、うち「大幅に減少」が4ポイントを占めたことから、判断指標は▲61となり前回(▲53)からやや悪化し、減少となった。
(4)運賃水準
宅配貨物は「下落」とする事業者が1ポイント減り、「上昇」とする事業者が4ポイント増えたことから、判断指標は▲39で前回(▲44)からやや改善している。宅配以外の特積貨物は「下落」とする事業者がわずかに増えたが、判断指標は▲45で、前回(▲42)とほぼ同様であった。一般貨物は「下落」とする事業者、「上昇」とする事業者ともにほとんど増減がなく、判断指標は▲49で前回(▲50)とほぼ同様であった。
(5)実働率等
実働率、実車率ともやや悪化し、引き続き前年を下回る水準となっている。
人手の過不足感はあまりない。採用状況は前年水準となっている。所定外労働時間はやや減少となっている。
(6)地域別および取扱い品目別
業界の景況感を地域別にみると、北陸信越はやや悪化に留まったが、その他の地域は悪化であった。とくに北海道、東北は水準が低い。また事業者の規模別にみると、小規模、中規模事業者は悪化だが、大規模事業者はやや悪化に留まった。主な取扱い品目別では、建設関連貨物の水準が特に低い。
2.今後(平成15年7月〜9月期)の見通し
(1)概況
平成15年7〜9月期の見通しは、業界の景況感の判断指標は▲75で、今回と同水準の悪化の見込み。
(2)特別積合せ貨物
宅配貨物は、輸送数量、営業収入は改善、営業利益もやや改善するが、引き続きやや減少の見込み。 宅配以外の特積貨物は、営業収入、営業利益は改善、輸送数量もやや改善するが、引き続きやや減少の見込み。
(3)一般貨物
一般貨物は、輸送数量、営業収入はやや改善するが、引き続きやや減少の見込み。今回水準の低かった営業利益もやや改善し、やや減少となる見込み。
(4)運賃水準
宅配以外の特積貨物はやや改善、宅配貨物、一般貨物は大きな変化がない見込み。
(5)実働率等
実働率、実車率とも、やや改善するものの引き続きやや低下の見込み。
人手の過不足感はやや過剰となる見込み。採用状況、所定外労働時間もやや減少の見込み。
(6)地域別および取扱い品目別
業界の景況感を地域別にみると、引き続き北陸信越ではやや悪化に留まるが、その他の地域は悪化の見込み。とくに北海道、東北は水準が低い見込み。また、事業者の規模別にみると、引き続き小規模、中規模事業者は悪化だが、大規模事業者はやや悪化に留まる見込み。主な取扱い品目別では、引き続き建設関連貨物の水準が低い見込み。
| 項 目 |
概 況 |
宅
配
貨
物 |
輸送数量 |
|
・前回からやや改善したものの、やや減少が続く。地域別では、近畿のみ減少となっている。一方、北海道は減少幅が相対的に小さい。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
| 営業収入 (売上高) |
|
・前回からやや改善したものの、やや減少が続く。地域別では、近畿、四国は減少だが、中国は前年水準に留まった。
・今後は今回より改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
| 営業利益 |
|
・前回から改善したものの、やや減少が続く。地域別では、近畿、四国は減少となっているが、中国、中部は減少幅が相対的に小さい。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
| 運賃・料金の水準 |
|
・前回よりやや改善したものの、やや下落が続く。地域別では、近畿、四国は下落だが、東北、関東は前年水準に留まった。
・今後も今回と同様に、やや下落が続く見込み。 |
【調査の概要】
◆平成5年3月より開始、以降3カ月ごとに実施。
今回は平成15年6月26日に配布。平成15年7月22日到着分までを集計。
◆回収率:73.0% |
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特 積 |
一般その他 |
合 計 |
| 調査対象 |
268 |
632 |
900 |
| 回収数 |
154 |
503 |
657 |
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| 項 目 |
概 況 |
宅
配
以
外
の
特
積
貨
物
|
輸送数量 |
 |
・前回からやや悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、近畿、中国は減少となっているが、北陸信越は減少幅が相対的に小さい。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
営業収入
( 売上高) |
|
・前回から悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、近畿は大幅減少、中国も減少幅が大きい。
・今後は今回より改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
| 営業利益 |
|
・前回より悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、近畿の減少幅が大きい。中国も減少となっている。
・今後は今回より改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
| 運賃・料金の水準 |
|
・前回と同様に、やや下落が続く。地域別では近畿は下落、一方、東北、関東は下落幅が相対的に小さい。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや下落が続く見込み。 |
| 凡例 |
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| (注1) |
各グラフの上段は前回の状況、中段は今回の状況、下段は今後の見通しを示す。 |
| (注2) |
各グラフの構成比は四捨五入のため合計が100にならない場合がある。 |
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| (注3) |
グラフ右のカッコ内は業況判断指標。指標は、各設問の回答に対し、増加・好転+1〜+2、横ばい0、減少・悪化-1〜-2の点数を与え、1事業者当たりの平均を100倍することにより算出している。
A (設問Aの回答者数) =a1+a2+a3+a4+a5 (設問Aの選択肢1〜5の回答数の和)
指標={(+2×a1)+(+1×a2)+(0×a3)+(-1×a4)+(-2×a5)}÷A×100 |
| 項 目 |
概 況 |
輸送数量
(全 体) |
|
・前回よりやや悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、近畿、九州は減少、中部、北海道は減少幅が相対的に小さい。規模別では、規模が小さくなるほど減少幅が大きくなっている。品目別では、消費関連貨物の減少幅が相対的に大きい。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
営業収入
(売上高) |
|
・前回より悪化したものの、やや減少が続く。地域別では、九州、近畿、東北では減少となっている。規模別では、小規模事業者は減少となっているが、大規模事業者は減少幅が小さい。品目別では、建設関連貨物は減少となっている。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや減少が続く見込み。 |
| 営業利益 |
|
・前回よりやや悪化し、減少となった。地域別では中部、四国、北海道、関東はやや減少に留まった。規模別では大規模事業者のみやや減少に留まった。品目別では、機械関連貨物、消費関連貨物はやや減少に留まった。
・今後は今回よりやや改善し、やや減少となる見込み。 |
| 運賃・料金の水準 |
|
・前回と同様に、やや下落が続く。地域別では、近畿は下落となっている。規模別では、規模が小さくなるほ下落幅が大きい。品目別では、その他貨物の下落幅が相対的に大きい。
・今後も今回と同様に、やや下落が続く見込み。 |

| 項 目 |
概 況 |
| 実 働 率 |
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・前回よりやや悪化したものの、やや低下が続く。地域別では、九州の低下幅が相対的に大きい。規模別では、大規模事業者は前年水準となっている。品目別では、建設関連貨物の低下幅が相対的に大きい。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや低下が続く見込み。 |
| 実 車 率 |
|
・前回より悪化したものの、やや低下が続く。地域別では、九州の低下幅が相対的に大きい。規模別では、大規模事業者は前年水準となっている。品目別では、建設関連貨物の低下幅が相対的に大きい。
・今後は今回よりやや改善するものの、やや低下が続く見込み。 |
雇用状況
(人手の過不足) |
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・前回と同様に、人手の過不足感はあまりない。地域別では、近畿、北陸信越、中国で、規模別では小規模事業者で、品目別ではその他貨物、建設関連貨物でやや過剰感がみられる。
・今後は今回よりわずかに悪化し、やや過剰となる見込み。 |
| 採用状況 |
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・前回よりわずかに改善し、前年水準となった。地域別では近畿、東北、四国、規模別では中規模事業者、品目別では機械関連貨物、建設関連貨物でやや減少となっている。
・今後は今回よりわずかに悪化し、やや減少となる見込み。 |
| 所定外労働時間 |
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・前回より悪化し、やや減少となった。地域別では北陸信越、規模別では大規模事業者、品目別では消費関連貨物で前年水準となっている。
・今後も今回と同様に、やや減少となる見込み。 |
| 項 目 |
概 況 |
| 資金繰りの状況 |
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・前回と同様に、やや悪化の水準が続く。地域別では、四国の悪化幅が相対的に小さい。規模別では、大規模事業者は前年水準。品目別では、建設関連貨物の悪化幅が相対的に大きい。
・今後は今回よりやや悪化するものの、やや悪化の水準が続く見込み。 |
運賃料金の回収条件
(回収期間、現金比率) |
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・前回と同様に、前年水準が続く。地域別では、東北、九州、北海道、品目別では建設関連貨物、機械関連貨物がやや悪化となっている。
・今後も今回と同様に、前年水準が続く見込み。 |
| 経常損益 |
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・前回より悪化したものの、やや悪化の水準が続く。地域別では東北、北陸信越、中国、四国、規模別では小規模事業者、品目別では建設関連貨物で悪化となっている。
・今後も今回と同様に、やや悪化の水準が続く見込み。 |
| 業界の景況感 |
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・3ポイント低下し、悪化の水準が続く。地域別では、北陸信越はやや悪化に留まったが、北海道、東北は水準が低い。規模別では、小規模、中規模事業者は悪化だが、大規模事業者はやや悪化に留まった。主な取扱い品目別では建設関連貨物の水準が特に低い。
・今後も今回と同様に、悪化の水準が続く見込み。 |
| (注4) |
地域分類は地方運輸局管轄地域区分に基づく。 |
| (注5) |
規模別分類 |
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大規模事業者:101両以上 中規模事業者:21両以上100両以下 小規模事業者:20両以下 |
| (注6) |
品目別分類
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消費関連貨物:農水産品、食料工業品、日用品など
建設関連貨物:林産品、砂利、砂、石材、建設用資材、窯業品(セメント等)など
機械関連貨物:電気機械(家電含む)、輸送機械(自動車等)など
その他貨物:石炭、原油、金属、石油、化学、紙・パルプなど |
| 事業者特性 |
特 徴 |
| 1. 地域 (注4) |
・北海道は、全国順位7位から最下位になったが、景況感は前回と同水準。
・東北は、全国順位最下位から8位となり、景況感はやや改善。
・北陸信越は、全国順位2位から1位に上がったが、景況感は前回と同水準。
・関東は、全国順位4位から6位に下がり、景況感は悪化。
・中部は、全国順位1位から3位に下がり、景況感は悪化。
・近畿は、全国順位5位のままで、景況感は前回と同水準。
・中国は、全国順位6位から7位に下がったが、景況感は前回と同水準。
・四国は、全国順位8位から2位に上がり、景況感は改善。
・九州は、全国順位3位から4位に下がり、景況感は悪化。 |
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| 2. 規模 (注5) |
・大規模事業者は、業界の景況感は相対的によく、やや悪化の水準に留まった。
・中規模事業者は、業界の景況感は悪い。
・小規模事業者は、業界の景況感は悪い。 |
| 3. 品目 (注6) |
・消費関連貨物は、景況感は前回と同様で、悪化の水準が続く。一般貨物の輸送数量では、特種品、農水産品の水準が低い。今後の景況感も今回と同様に悪化の水準が続く見込み。
・建設関連貨物は、景況感は前回より悪化し、貨物別で最も水準が低い。一般貨物の輸送数量では、鉱産品の水準が低い。今後の景況感はやや改善するが、水準は依然低い見込み。
・機械関連貨物は、景況感は前回と同様の悪化だが、貨物別では相対的に悪化幅が小さい。一般貨物の輸送数量では、輸送機械は前年水準となっている一方、その他機械の水準は低い。今後の景況感はやや悪化する見込み。
・その他貨物は、景況感は前回と同様で、悪化の水準が続く。一般貨物の輸送数量では、繊維工業品、金属の水準が低い。今後の景況感も今回と同様に悪化の水準が続く見込み。 |
8.業況判断指標の前回調査(平成15年1月〜3月期)からの変化
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